スリーオンザフロアとは?ダーツ界隈で使われるスラング解説

ダーツのアワードには、さまざまなものがあります。

  • ハットトリック
  • スリーインナベッド
  • スリーインザブラック
  • ロートン
  • ハイトン
  • など

おそらく、これらのアワードについては、
この記事にたどり着いた読者にあえて説明するまでもないでしょう。

今回は、ダーツバーなどに通っていると、
そのうち耳にするであろう
「スリーオンザフロア」という用語について解説します。

スリーオンザフロアとは?

その名のとおり、スリーオンザフロアとは、
3本のダーツがすべて床に散らばっている状態を指します。

主にソフトダーツをプレイしている場面で、
ネタとして使われるスラングです。

ソフトダーツは、ダーツのチップがボードに接触した瞬間に、
電子的に得点を記録する仕組みになっています。
そのため、刺さりが悪く実際には刺さらなかった場合でも、
ボードが反応していれば得点として処理されます。

プロの試合を見ていても、
ダーツが弾かれて床に落ちたにもかかわらず、
得点だけはしっかり記録されている場面を
目にしたことがある人も多いと思います。

ただし、多くの場合は、
先に刺さっているダーツに当たって弾かれた、
いわゆるバウンスアウトが原因です。
そのため、3本すべてが弾かれたうえで、
なおかつ点数が記録されるケースは、実際にはそれほど多くありません。

しかし、いわゆる平場では事情が少し異なります。
投げ方や飛びが安定していない人もいれば、
ダーツボードのセグメントのコンディションが悪い場合、
あるいはソフトチップとセグメントの相性が悪い場合もあります。

こうした要因が重なることで、
試合よりも平場のほうが、
スリーオンザフロアに遭遇する機会が多くなるのです。

そういった際にネタとして「スリーオンザフロア」を覚えて良いと思います。

ダーツライブ公式もネタとして扱ったことがある

スリーオンザフロアという用語について調べてみると、
おそらく、正式なウェブサイトとして解説している記事は見つからないと思います。

X(旧Twitter)などで検索すると、
ユーザー同士の投稿としてはそれなりの件数がヒットしますが、
明確に定義された公式な説明はほぼ存在しません。

ただし、実は過去に
DARTSLIVE公式アカウントが、
スリーオンザフロアをネタとして扱ったことがあります。

「あなたの周りにはどんな人がいる?」
というお題に対し、リプライで回答した人の中から、
抽選で20名に20周年限定ダーツライブカードをプレゼントする
という企画が行われた際のことです。

その中で、
「スリーオンザフロア」と回答したユーザーも当選していました。

このときの説明は、
「3本投げて、1本も刺さらず床に落ちる人」
というものです。

【注意点】刺さりが悪いことを気にしている人もいる

注意点として、スリーオンザフロアはあくまでネタ用語です。
しかも、少し茶化したニュアンスを含んだ言い回しでもあります。

ソフトダーツをプレイしていると、
思うように投げられない時期があったり、
飛びを良くしたいと思っていても、なかなか上達しないこともあります。

中には、
ダーツがうまく刺さらないこと自体に悩んでいる人もいます。
刺さらなかったダーツが床に落ち、
隣のエリアまで転がってしまうことも珍しくありません。

そうなると、
隣の人が投げ終わるまで待たなければならなかったり、
周囲に気を遣ってしまう場面も出てきます。
実際、こうした点を気にしてプレイしている人は少なくありません。

そのため、ネタとはいえ、
誰にでも通じる言葉ではないことは意識しておいた方がよいでしょう。
使う場面としては、
あくまで関係性ができている仲間内に限って、
雰囲気を見ながら楽しむのが無難だと思います。

まとめ|それでもスリーオンザフロアを知っておくと良い理由

スリーオンザフロアは、
ダーツの公式ルールや競技解説とはまったく関係のない、
あくまで界隈で使われているスラングのひとつです。

3本すべてが刺さらず床に落ちるという、
プレイヤーにとってはあまりうれしくない状況を、
自虐や笑いに変えるための言葉だと言えます。

だからこそ、
使う場面や相手は選ぶ必要がありますし、
誰にでも向けて軽々しく使うものではありません。

それでも、この言葉を知っておくと良い理由があります。

それは、
ダーツには「うまくいかなかった経験」を
そのまま失敗として終わらせず、
笑いに変えて共有する文化がある、
ということが分かるからです。

ダーツバーや大会、SNSなどで交わされる会話には、
こうしたスラングや独特の言い回しが自然に混ざっています。
意味を知らないままだと戸惑ってしまう場面も、
言葉の背景を知っていれば、
その場の空気を理解しやすくなります。

スリーオンザフロアは、
ダーツの技術そのものを上達させる言葉ではありません。
しかし、ダーツという遊びや競技を
「文化」として楽しむための、
小さな入口にはなってくれます。

ルールを覚え、点数を競うだけでなく、
こうした言葉や空気感に触れていくことも、
ダーツを長く楽しむコツのひとつです。

無理に使う必要はありませんが、
知っておくだけで世界が少し広がる。
スリーオンザフロアは、そんな言葉だと思います。