デジタルダーツマシンを使用して行うソフトダーツですが、「反応優先」という多少ややこしいルールがあります。ややこしいがゆえに、トラブルに発展することが多く、覚えておいたほうが良いルールです。
反応優先とは?
一言で言うと、機械が表示した点数が優先されるということです。ハードダーツ(スティール)の「刺さり優先」(むしろ刺さりが絶対ルール)と比較すると多少複雑です。
例えば、以下のようにダーツとダーツがぶつかり、複雑に絡み合った場合、刺さった場所と異なる数字が記録されていることはよくあります。
もちろん、前に投げたダーツにぶつかり反応した可能性もありますし、センサーの誤反応の可能性もあります。反応「優先」というだけに、反応が絶対というわけではないことに注意が必要です。
ルールで反応優先がどう扱われているか確認しましょう
PERFECTであれ、JAPANであれ、一般大会であれ必ずルールを参照しましょう。特に、JAPANの場合はDARTSLIVE2とDARTSLIVE3で若干ルールが異なっておりまして、今後もマシンの種類のよってルールが異なってくる可能性もあります。
また、野球や競馬の写真判定のように、競技そのものの運用方法が変わることにより、もっと厳密な確認方法が採用される可能性もあります。
従って、必ずルールは参照しましょう。
とは言え、判断に迷う場所はだいたい同じですので、あやしい場面があったら一旦中断し、審判や対戦相手に確認を取るのがベターです。
審判や対戦相手に確認を取らずに、ダーツを抜いてしまった場合は確認が困難になります。抜いた後のルールも既定されていることが多く、場合によっては(自分または相手に)不利な裁定になることもありますので、トラブル回避のためにも確認しましょう。
PERFECTの反応優先ルール
PERFECTの競技規定より引用します。
得点は、ダーツマシンの反応を優先とする。従って、下記の場合得点として認める。
- ① ボードに刺さっているダーツに、投げたダーツが触れてマシンが得点反応した場合。
- ② 投げたダーツがボードに刺さらなかったが、マシンが得点反応した場合。
- ③ ティップだけがボードに刺さりバレルが外れてしまった場合。
出典:競技規定 | PERFECT ソフトダーツプロトーナメント
順番に各規定を詳しく見ていきましょう。
①ボードに刺さっているダーツに、投げたダーツが触れてマシンが得点反応した場合。
例えば、1本目にインナーブルに入り、2本目が1本目のダーツにぶつかりつつアウターブルに刺さった場合を考えてみましょう。
こんな感じです。
この場合、ダーツマシンが1本目も2本目もインナーブルと反応した場合は、マシンが反応した通り(両方ともインナーブル)となります。もし、ダーツマシンが1本目をインナーブルの反応で、2本目をアウターブルと反応した場合は、こちらもマシンが反応した通りとなります。
2019 PERFECT【第29戦 静岡】の山田勇樹プロ vs 鈴木徹プロの試合にて、鈴木プロが審判に確認を取っていた例が印象的です。よくあるケースなので、ほとんど揉め事には発展しないと思われますが、鈴木プロはなぜ審判に確認をしたのでしょうか?
例えば、以下のような刺さり方で、両方ともインナーブルの反応をしていた場合はどうでしょうか?
本当に前のダーツに当たったのかよ?誤反応なんじゃないの?
と、あやしまれるかもしれません。
ダーツとダーツの距離(近さ)は関係ありません。ルール通り解釈すれば、ダーツとダーツがいくら近くでも、前のダーツに触れていなければ誤反応です。反対に、ダーツとダーツが触れた後に、後のダーツが大きく外れて刺さっても、マシンが反応すれば反応が優先されるルールです。
ほぼ疑いようの無いケースですが、鈴木プロの取った対応は模範的で素晴らしいと思います。
② 投げたダーツがボードに刺さらなかったが、マシンが得点反応した場合。
こちらがソフトダーツ特有の考え方です。
極端な例で言うと、3本すべてブルに当たりすべて反応し、すべて刺さらなかった場合もハットトリックとして認められるということです。
いわゆる「スリーオンザフロア」もソフトダーツではありなんです。。。
ルールの記述で前のダーツに触れたかどうかに言及されていないのはそういうことです。
従って、先ほど述べた、1本目と2本目のダーツがぶつかった例では、2本目が刺さらなければ何のお咎めなしのルールなわけです。
例えば以下のような例。
③ ティップだけがボードに刺さりバレルが外れてしまった場合。
これは①の場合と同じなので説明は省略します。
誤反応の場合
マシンの状態によっては誤反応が出ることがあります。ブルに当たって刺さったのに、Miss判定した場合などです。
PERFECTのルール上は、「誤反応」がどんな状況を刺すのかは明記されておりませんが、以下のように記載されております。
機械の誤反応は、両選手・レフリーの確認のもと修正することが出来る。
出典:競技規定 | PERFECT ソフトダーツプロトーナメント
刺さった場所ともまったく異なるナンバーが反応した場合などは、誤反応です。細かく明記はされておりませんが、両選手とレフリーが確認して修正出来るので要確認です。PERFECTの試合中にも稀にこういったケースはあります。
ソフトダーツの「反応優先」というルール | まとめ
PERFECTのルールを例に、ソフトダーツにおける「反応優先」についてザックリと説明しました。人間誰しも間違いがありますし、機械でさえ誤反応があります。
若干、ややこしいかもしれませんが、ソフトダーツをやるうえで必ず知っておいたほうが良いので、ぜひ覚えておいて下さい。