James Wade(ジェイムズ・ウェイド) 英ガーディアン紙に躁うつ病およびADHDについて語る

例の一件で、アクセス数が増えているので別記事を書きました。

James Wade(ジェイムズ・ウェイド)の不適切な発言と音に対する過敏性についてADHDの観点から
躁鬱病っていう観点からコメントが多くなされていることが多いようだけど、ちょっと違うような感じがしたので補足。 JamesWadeの謝罪文について和訳が載っておりますので引用します。 先日JamesWade選手が斉吾戦に対して公式声明文を出されたので和訳しました。有名な選手も皆さん...

James Wade(ジェイムズ・ウェイド)という選手をご存知ですか?

PDCにて活躍している、イギリス(イングランド)のプロダーツプレイヤーです。

PDCを観戦したことがない方でも、ちょっとネット上の情報を探せば見かけたことがあると思います。

僕がWadeに興味を持った理由は、他の方とはちょっと違うかもしれません。。

2017年に英ガーディアン紙にて、Wadeは双極性障害とADHDという精神障害を持っていることを告白しております。

James Wade: ‘You need to be different to chase something hard when everyone is laughing at you’
James Wade is one of the top players in darts. As he launches his latest tilt at the world championship he tells Donald McRae about his daily battle with the de...
武器商人@ダーツ
武器商人@ダーツ

僕も実は、15年ほど前から精神科のお世話になっており、うつ病で何度か休職していた時期があります。厳密な診断ではないものの、双極性障害とASD(自閉症スペクトラム症候群)の症状があります。

But he also suffers and has been diagnosed as having bipolar and attention deficit hyperactivity disorder.

(日本語訳)※素人訳なので間違っていたらごめんなさい。

彼もまた双極性障害とADHDを持ち苦しんでいた。

「彼もまた」というのは、奥様のサマンサさんも双極性障害持ちとのことです。

武器商人@ダーツ
武器商人@ダーツ

同じ疾患を持つ人同士で結婚する例は数多くあります。似たような悩みや経験をしていることが多く、共感しやすいんからだと思います。

双極性障害とは

日本では一般的には、躁うつ病と呼ばれるものです。

  • 躁=気分の高ぶった状態
  • うつ=気分の落ち込んだ状態

です。

誰しも多かれ少なかれ、気分の浮き沈みはあるかと思いますが、自分でコントロール出来ないレベルになると、精神疾患の可能性が高いです。

Wadeがわかり易い説明を不可しております。

I’ve got two personalities. It’s like the devil and the angel.

(日本語訳)※素人訳なので間違っていたらごめんなさい。

私は二つの人格を持っています。悪魔と天使のような感じです。
武器商人@ダーツ
武器商人@ダーツ

悪魔とか天使という表現は、欧米的でイメージしづらいかもしれませんが、ものすごく程度の強いことを言及する際に使われる言葉です。

ADHDとは

ADHDは、日本でもそのまま使われたり、発達障害と呼ばれたりしております。

発達障害というと、子供がかかる病気のように聞こえますが、大人でも悩んでいる人は多いです。成人病が生活習慣病と呼び名が変わったように、発達障害も変わると思います。

特徴的な症状としては、

  • 不注意
  • 多動性
  • 衝動性

です。

簡単に言うと「落ち着きが無い」といいましょうか。貧乏ゆすりなどのそわそわした動作をすることが多いです。

ADHDは理解のされづらい病気の一つです。目に見えてわかる症状があるわけでもなく、原因もはっきりとしておらず、対処法も確立されておりません。

Wadeは過去のつらい記憶を以下のように語っています。

The past scars the 34-year-old and he still feels anger towards teachers who humiliated him as “a clown or troublemaker” without attempting to understand his condition.

(日本語訳)※素人訳なので間違っていたらごめんなさい。

過去の出来事はその34歳の男のトラウマになっている。彼は依然として教師に対して怒りを感じている。その教師(達)は、彼の状況や症状をまったく理解しようと注意せず、彼を「バカ」「問題児」として恥をかかせました。

ADHDも見方を変えれば長所

発達障害の人は、社会適合性に欠けることが多いですが、特定分野で活躍している方はいらっしゃいます。

Wadeも以下のように語っています。

“Darts is probably the first thing where somebody said: ‘You’re good at that.’

(日本語訳)※素人訳なので間違っていたらごめんなさい。

ダーツは他人に褒められた一番最初のものでした。

ADHDの症状のひとつである、「多動性」は言い換えれば行動力があり積極性があるとも取れます。最近の考え方では、ADHDは病気ではなく個性だと捉える考え方もあります。

Wadeから読者へのメッセージ

これから紹介するメッセージは、2015年にニューダーツライフにて掲載されたものです。

2017年に英ガーディアン紙で告白された内容を理解したうえで読むと、非常に興味深いですね。同じような悩みを持ち、経験してきた僕は、救われた気持ちになります。そして、他にも同じように悩み苦しんでいる方は少なくないと思うんです。

Q20:最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。
僕が皆さんにアドバイスできることと言えば、自分の個性を大切にして欲しいということ。自分がどんなプレイヤーかちゃんと把握していることが重要です。それから一日に1時間~3時間は練習して欲しいということ。練習時間はそれぞれ違うと思うので、自分に合ったものを探してください。3時間だらだらする練習より、集中して1時間投げた方がずっと効果的なものです。これもやはり自分のキャラクターに合ったやり方で練習してください。
皆さんはそれぞれに違うユニークさを持った個人なので、他人の真似をする必要は無いと思います。ダーツで上を目指すのは簡単なことではありません。だから、簡単だと思い込まないこと。でも、楽しむのも忘れないこと。このバランスが大切です。どうか皆さんもダーツを楽しんで、更なる高みを目指してください。

出展:

http://www.newdartslife.com/player_interview/086-james_wade-2.html

劣等感(コンプレックス)を持っている方は少なくないかと思いますが、その根底には他人と自分を比較しているという前提があると思います。

他人が出来ることを自分が出来る必要はないですし、逆もしかりです。

楽しむこと、続けること、目標を持ってそれを目指すこと、が大事なのではないかと思います。

僕は、Wadeの試合を見る度に元気をもらいます。