ダーツ初心者セット不要論

ども、武器商人です。

ダーツブログをはじめて9年目になりまして、累計アクセスも100万PVを超えました。
そんな中で、今まで何度か「バレルインプレッションやらないんですか?」「レビュー記事を書いてほしいです!」と聞かれることがあります。

実は、一時期はバレルレビューを頑張っていた時期もあるんです。
でも、バレルって主観の世界そのものだし、感覚的な相性がエグいくらい大きいんですよね。

いくら文章でカットのかかりやすさや飛びの良さを説明しても、その感覚を読者に100%伝えることはできない。そして当然のことながら、僕にとって“最高のバレル”が、読者にとっても最高とは限らない。これは逆もしかりで、まさに“相性ゲー”なんです。

日本国民のほぼ全員がギャル好きなのとは対照的です。(正論過ぎてすみません…)
なので僕はバレルレビューをやめて、ギャル好きダーツブロガーとして生きる道を選びました。

初心者セットへの違和感

バレルには「初心者セット」というものがあり、実際にそれなりの検索ニーズもありますし、各ECサイトにも“初心者向け”というカテゴリーが用意されています。

でも、僕はこの初心者セットという概念に対して、かなり懐疑的なんです。

ギャルの良さが説明不要であるのと同じように、初心者セットの違和感も本当は一言で説明できるんですが……今日はあえて、その理由をしつこく丁寧に語っていきます。

一般論としての初心者セット

一般的に、他ジャンルでよく言われる「初心者セット」や「入門セット」には、だいたい次のような特徴があります。

・比較的リーズナブルで手に取りやすい
・必要な道具がひと通りセットになっている
・初級者の身体能力やスキルでも扱いやすい設計になっている

逆に言えば、中上級者向けの用具というのは、ある程度価格が高く、必要な道具を自分で選んで揃える必要があり、初心者が扱うには難易度が高い——そんな位置づけになります。

そもそもハウスダーツがある

そもそもの話として、ダーツを初めて触る段階では、漫画喫茶や大手ダーツチェーン店に行けば、ほぼ間違いなくハウスダーツが置いてあります。
用具選びの基準すら分からない状態で、無理にマイダーツを買う必要はまったくありません。

ダーツの初心者セットを分析してみる

価格は確かにリーズナブル

確かに初心者セットはリーズナブルです。
安いものだとブラス製で1,000円前後、タングステン製でも5,000円くらいからあります。
そこから少し上の価格帯だと1万円前後まであり、単品で定価購入するよりもいくらか割安になるのは事実です。

ただし——ここが重要なのですが——

ブラス製のバレルは軽すぎて、初心者にはむしろ扱いにくいことが多い。
また、タングステン製にも重さ・長さ・形状が本当に多種多様にあるにもかかわらず、“初心者はこれ”と決め打ちしてしまうのは、かなり乱暴な話です。

つまり、値段だけでダーツを決めるのは危険。
これは強調しておきたいところです。

ダーツに必要なものは実は多くない

ダーツに必要なものは、
バレル+シャフト+フライト+チップ。
あとはダーツケースがあれば便利、という程度です。

そして、バレルを購入すればシャフトやフライトが付属している場合も多く、初心者の段階では付属品で十分投げられます。最近はバレル単体販売もありますが、付属品ありのモデルを選べば特に困りません。(消耗品であるチップやシャフト、フライトは壊れたら買い足すくらいの気持ちでOKです。)

初心者セットが“必要な道具を全部揃えてくれる”というメリットは確かにありますが、そもそもダーツは揃えるべき道具自体がそこまで多くないのです。

ダーツの初心者に「投げやすい形・重さ」は一般化できない

ぶっちゃけ、ここが一番大きなポイントです。

初心者セットの多くは、ある程度“万人向け”の形や重さで組まれていますが、バレルの相性は、投げてみないと本当に分からない。初心者向けといった一般論を成立させるのが難しいのです。

ダーツは特別な筋力を必要としないので、
「初心者は軽いものから始めたほうが良い」
という理屈もほぼ通りません。(もちろん極端に重いものは避けた方がいいですが。)

つまり、
初心者に最適な形や重さは“個人差が大きすぎて一般化できない”。
にもかかわらず、「初心者はこれが良い」とパッケージ化すること自体が不自然なんです。

初心者セットは売り手側の都合

この際だからはっきり言いますが、初心者セットというものは“売り手側の都合”で作られた商品だと思っています。

ダーツは入口が広いほうがいいし、ライト層がたくさん入ってくれた方が業界としては絶対に良い。新しくダーツを始める人が多ければ多いほどいい。これは間違いありません。

しかし現実として、ダーツのバレルは新商品が次々出るし、選手モデルも無数にあるし、廃盤になるものも非常に多い。ECサイトを見ていても、売り切れやリンク切れが頻発していて、在庫管理もきっと大変でしょう。

だからこそ、初心者セットという“とりあえず売れるカテゴリ”を作っておくと、売り手側は圧倒的に楽なんだと思うんです。

売り手側の都合に合わせる必要はまったくありません。

ダーツの本当の楽しさはバレル選び

ダーツの醍醐味って、いろいろなバレルを投げて、自分に合うものを探すこと。さらに、シャフトやフライトを自分好みにカスタマイズして、“自分のダーツ”を作り上げていくことだと思うんです。

特にダーツを始めたばかりの頃は、それがいちばん楽しい。
たくさんバレルを試投して、時には買って、ひたすら投げる。
これこそがダーツをはじめた頃に一番楽しめる遊び方なんですよ。

誰が何と言おうが、「初心者はまずこれがいいよ」と言われようが、
気になるバレルは全部投げてみた方がいい。

可愛い女子プロのモデルでもいいし、
スキンヘッドの渋いオッサンのバレルでもいいし、
「なんか形が気になる」という理由だけでも全然いい。

気になるものは投げる。
それが楽しいし、ダーツの醍醐味の一つです。

だから、初心者セットは好きになれない

初心者セットという 標準化されたパッケージは、
ダーツ本来の楽しさを奪ってしまう——僕はそう思っています。

だから僕は、初心者セットという商品がどうにも好きになれません。

一応、僕のブログはアフィリエイト広告も入れているので、過去には初心者セットを実際に買ってレビュー記事を書いたこともあります。
でも、これがもう全然面白くなくて、結局その記事は削除しました。

まとめ

ダーツに“初心者だからこれ使っておけ”なんてものは一概にはいえない。

気になるバレルはかたっぱしから投げて、自分の感覚で選ぶ——それが楽しみの一つだと思っています。

だから僕は、初心者セットという無難な道具を詰め合わせたパッケージ商品があまり好きじゃありません。

初心者ほど、もっと自由でいい。
気になったバレルを、気になった理由で、好きに投げてみてください。
そのほうが絶対に楽しいですから。