ハウストーナメントは賭博罪に当たるかどうかの考察

はじめに


ハウストーナメントが開催されると、明らかに現金と思われるのし袋を持った写真が、TLに流れて来ます。掲示板などで、賭博云々と書かれていることがあります。

実際のところどうなんでしょう?
注意しなければいけないのは、賭博罪に該当する場合、店舗のみならず参加者も罰せられます。

最初にお断りします。

僕は、弁護士資格を有しておりません。それなりの知識はありますが、弁護士でないものが法律相談を受けたりすることは弁護士法によって禁じられております。

従って、各自の判断で実行に移していただければと思います。

尚、本投稿は、刑法185条の賭博罪との関係性を説明したものです。風営法23条などは別途考慮が必要かと思われます。

賭博罪について

罪刑法定主義は大原則

ある行為を犯罪として処罰するためには、立法府が制定する法令において、犯罪とされる行為の内容、及びそれに対して科される刑罰を予め、明確に規定しておかなければならないとする原則のことをいう。
罪刑法定主義 – Wikipedia

簡単に言うと、処罰するルールが無ければ処罰されません。

例えば、麻薬を所持していても死刑にはなったりはしません。そういう定めが無いからです。これが、中国とかだとリアルに死刑になるので注意が必要です。

根拠条文は刑法185条

賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。
刑法第185条 – Wikibooks

武器商人@ダーツ

武器商人@ダーツ

これだけだと何が賭博罪なのかさっぱりわかりませんね。具体的に賭博罪に当たるかどうかの要件を、成立要件と言ったりします。

賭博罪の保護法益

むやみやたらに、国民の自由を制限しないのが法の支配の原則です。制限する保護法益というものが必ず存在します。賭博罪の場合は以下です。

判例・通説は、公序良俗、すなわち健全な経済活動及び勤労への影響と、副次的犯罪の防止であるとしている(最大判昭和25年11月22日刑集4巻11号2380頁)。具体的には「国民の射幸心を煽り、勤労の美風を損い、国民経済の影響を及ぼすから」と説明される。他人の財産を保護法益とする説もある。
賭博及び富くじに関する罪 – Wikipedia

賭博罪の成立要件

『偶然の支配』による財物の得喪

  • 直接的あるいは間接的にお金を賭けていること
  • 得喪が偶然の支配によること

囲碁・将棋なども賭博罪の成立例もありますので、オートハンデなどを適用したソフトダーツの場合はこの点については明らかに成立要件を満たしております。

出典:

【賭博罪・賭博場開張図利罪の基本(条文と解釈・具体的種目)】 | 東京・埼玉の理系弁護士
1 賭博罪・賭博場開帳利得罪の規定内容 2 賭博罪|構成要件・基本 3 賭博罪×技術介入性|あまり考慮されない 4 『賭博罪』に該当するとされた種目 5 賭博罪×一時娯楽物|少額の物品は除外 6 賭博場開張図利罪|基本 1 賭博罪・賭博場開帳利得罪の規定内容 『賭博』や『賭博場の運営』は犯罪となります。 最初に,賭博...

相互的得失の関係

最近、有力となっている説です。弁護士であり、麻雀プロでもある津田岳宏さんは、この点非常に詳しいです。

賭博罪は,当該行為の当事者の財物について「相互的得失の関係」の成立が要件となっている。 「相互的得失」とは,勝者が財産を得て,敗者が財産を失い,さらに勝者が得る財産と敗者が失う財産が「相互的な」関係であること,を意味する。

勝者の得る財産は,敗者が負担する財産とイコールでなければならない。

勝利によるリターンが,敗北によるリスクとイコールでなければならない。
賞金付ゲーム大会と賭博罪 | 麻雀プロ弁護士津田岳宏のブログ

簡単に言うと、参加者からお金をかき集めて、それを単純に分配するケースの場合は、賭博罪が成立する可能性が高くなります。

しかし、お店側や協賛企業が賞金を出す場合は、賭博罪は成立しません。

記憶に新しいところですと、今年から、PDCアジアンツアーが日本で開催されております。エントリー要件にプロ資格は必要ありませんが、しっかりと賞金も出ております。

PDCアジアンツアーも、日本で開催されている以上、日本国の法律が適用されます。こちらが賭博罪とならないのは、賞金の出元が違うからです。

エントリーフィーこそ必要になるものの、そこから賞金が支払われるわけではありません。
従って、相互的得失の関係にはならないため、成立要件を満たさない。つまり、賭博罪には当たらないとなるわけです。

まとめ

  • 参加者からお金を集めそれを分配する場合は賭博罪が成立しうる。
  • 店舗や協賛企業が賞金を用意する場合は賭博罪は成立しない。
武器商人@ダーツ
武器商人@ダーツ

賞金付きの大会を開催出来るかどうかは、協賛企業=スポンサーがいるかどうかがポイントになりそうですね。

与太話

ハウストーナメントの賞金をWEB広告収入やクラウドファンディングで賄うのはどうだろうか?

要は、相互的得失の関係が否定されれば良いわけです。

理想は、協賛企業から賞金が支払われることです。しかし、現実問題、宣伝広告になるかどうかもわからない組織に、現金を供与するということは考えづらいです。

であれば、

店舗ごとに特定企業の商品宣伝を行い、そのアフィリエイト報酬か何かをプールし、それを賞金として集めるシステムはどうでしょうか?

あるいは、クラウドファウンディングを利用し、参加者以外から集めることでしょうか。

PERFECTのプロテストは賞金トーナメント開催のために必要

何で日本にプロテストが存在するのか

それは賞金が支払われことに対しての法的な規制があり

登録が必要なんです

このロジックは謎です。

僕の推測ですが、PERFECTの運営費用及び賞金に関しては、スポンサーからの収入が少なく、プロ登録費や施設使用料分担金が財源になっているのではないかと思います。つまり、相互的得失の関係が成立し、賭博になる可能性があるのではないかと。

おそらく、スポンサーが付き、相互的得失の関係が否定されれば、プロライセンスは不要になると思われます。(もちろん、団体運営のために、プロ制度は維持されると思いますが。。)

武器商人@ダーツ
武器商人@ダーツ

実際、テニスは、プロ制度は無いにもかかわらず賞金トーナメントを開催しているようですしね。

コメント

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