James Wade(ジェイムズ・ウェイド)の不適切な発言と音に対する過敏性についてADHDの観点から

躁鬱病っていう観点からコメントが多くなされていることが多いようだけど、ちょっと違うような感じがしたので補足。

JamesWadeの謝罪文について和訳が載っておりますので引用します。

まず、JamesWadeは2つの点について謝罪しております。

  1. 試合中の威嚇行為
  2. 試合後のコメント

試合中の威嚇行為については、躁状態のなせるわざかもしれませんが、試合後のコメントは果たしてどうなのか?

以前、ガーディアン紙のインタビューを見て知ったことがあります。

Wadeは、躁うつ病だけではなく、ADHDで苦しんでおります。日本でも最近話題になっている発達障害の一種です。

発達障害の特徴としてよく見られるのが、

  • 空気の読めない発言
  • 思いつきで発言してしまう
  • 社交辞令など言えず本音で言っちゃう

何を隠そう、僕も発達障害なので何となく、同情してしまいました。

試合中の行為については、スポーツマンとして許されることではありません。SeigoAsadaの素晴らしいダーツによりプレッシャーをかけられたWadeはついつい我を忘れて、興奮しすぎてしまったのでしょう。スポーツにおいてはよくあることです。

が、試合後のコメントについてはどうでしょう?

本来であれば、

勝負に熱くなり過ぎたあまり我を忘れてしまった。申し訳なかった。
など、大人の発言をするのが普通です。
Wadeは、
I wanted to hurt him.(彼を傷つけたかった)
と言ってしまいました。
非常に軽率な発言であるとは思うものの、僕は一種の同情を感じざるを得ませんでした。おそらく、その時の心情をバカ正直に発言してしまったとしか思えません。
インタビュー中も後ろをしきりに気にするそぶりを見せております。

僕自身もそうなのですが、発達障害の人によく見られる、音に対する過敏性を持っているのではないか?と思っております。
NewDartsLifeでも、ファンとの接触によってストレスを感じたことがあるという旨を読んだことがあります。

僕達ダーツプレイヤーはVIP待遇をしてもらえないので、普通に長い行列に並んで受付を待ちます。ファンの方々が同じ行列にいたりすると、そのことに驚いてショックを受けますね。そして同じ行列に並びながら、写真を一緒に撮ったり、サインを求められたりします。

皆さんには是非分かっていただきたいのですが、僕達ダーツプレイヤーも他のスポーツのスター達と同じで、どこに行っても人から注目される存在になっているのです。 最近では街中や空港などでもファンの人が多くいて、誰にも気付かれず普通に移動するのは難しいです。

こういった状況もあいまって、僕はこれまでに2度、極限まで追い詰められるような出来事が起きてしまいました。その結果そううつと多動障害と診断されました。
世界/日本 ダーツ情報専門サイト NEW DARTS LIFE ニューダーツライフ:Player Interview

躁うつ病については、適切な治療を受ければ治癒することはある程度可能かと思われます。
しかし、発達障害については、脳機能障害という説が有力です。空気の読めない人が、いきなり空気を読めるようになったりは、残念ながらしないのです。音に過敏な人が、急に鈍感になったりもしないのです。
Wadeを擁護するつもりはありませんが、そういった、ディスアドバンテージを持ちながら戦っているWadeには、親近感を持っているし、応援している。
特に、何を訴えたいわけではありません。
1ファンとして、良い面も悪い面も含め、応援していますよと言いたいだけです。

追記

James Wade(ジェイムズ・ウェイド)謝罪に対して一部否定的な意見が見られた件
欧米的な価値観と日本人的な価値観の相違について観察しました。また、ADHDについても多少取り上げました。 擁護する意図はありませんが、少しでも理解が深まればと期待して書いています。 公式謝罪文 Official statement. pic.twitter.com/UsRnZpY...