東京ゲームショウ2019で世間を騒がせたニュースがある。
優勝賞金500万円とうたっていたにもかかわらず、実際に支払われた賞金が10万円になったという話である。
実は、この話はデジタルダーツ(ソフトダーツ)とも非常に関連の深いニュースである。
以前、下記のエントリーを書いたが、継続的にアクセスされている。
なぜ優勝賞金が10万円に減額されたかというと、景品表示法の規制が根拠となっているためである。
景品表示法では、一般景品の限度額が10万円までと定められている。
主催者であるJeSUもその点を十分に認識していたはずであり、プロライセンスを所持している者には賞金500万円を与えると意図していたと思われる。そして、プロライセンスを取得していない者には法規制が適用されるため、賞金は10万円しか与えられないという理屈になる。
さて、T-Bさんのブログによれば、PERFECTも同様の理由でプロライセンス制度を導入したという話を聞いたことがある。PERFECTの優勝賞金は最高で150万円にもなるため、10万円の上限を超えることになる。
アメブロを更新しました。 『プロテストが簡単だからどうのこうの言ってる人は』 https://t.co/8GG9WjFtK8
— 福永 正和(T-B) (@titoboss_felix) August 16, 2018
何で日本にプロテストが存在するのか
それは賞金が支払われことに対しての法的な規制があり
登録が必要なんです
この発言の法的根拠は明言されていないが、根拠法は3つあると考えている。
詳しくは過去のエントリーに記載しているのでご参照いただきたい。
風営法非適用店舗の場合は風営法は考慮不要。しかし、風営法適用の場合は賞金NG。
賞金10万円未満であれば景品表示法の規制は受けない。
参加者からお金を集めそれを分配する場合は刑法の賭博罪が成立しうる。
店舗や協賛企業が賞金を用意する場合は刑法の賭博罪は成立しない。
ダーツの大会の賞金についての法規制 | 風営法、景品表示法、刑法との関連 | 武器商人@ダーツのブログ
しかし、逆に考えると、風営法と刑法の賭博規制さえ回避できれば、優勝賞金10万円までの賞金トーナメントを開催することは十分に可能である。もちろん、プロ制度なしでも実現可能である。
地方の独立リーグ的なものを構想するのも面白いかもしれない。そして、地方の独立リーグで実力と金銭的な基盤を築いた後に全国ツアーに参戦するというルートがあっても良いように思う。
現在、ダーツ人口が増加していると感じるため、規模拡大のためのスキームについて改めて議論する価値があるのではないか。そうしなければ、これからプロダーツの世界に参入しようとする人にとっての障壁があまりにも高すぎるのではないだろうか。